抜け毛、薄毛の原因のひとつ「ゴースト血管」とは?

毛細血管を光学顕微鏡で実際に見ると、健康な状態であれば、ヘアピン状の血管がいくつも林立している。

 

不健康だと毛細血管がねじれていたり、消えかかっていたりする。

このような不健康な毛細血管の様子を指し、大阪大学微生物病研究所の高倉伸幸教授は「ゴースト血管」と名付けた。

 

「幽霊のように消える、という意味ではなく、血管が林立していたのに血液が流れなくなっていく、人の住まなくなったゴーストタウンのようだということで命名しました」

 

毛細血管は、血管の外側の「壁細胞」と内側の「内皮細胞」の二重構造でできている。

この細胞同士の接着が弱くなり、外側の壁細胞がはがれてくると、血液が血管外にもれ、周囲の組織に炎症やむくみが起きる。

 

その状態が続くと周辺組織が破壊され、毛細血管自体も壊れて“ゴースト血管”となる。

 

ゴースト血管は美容や健康に大きく影響し、骨粗しょう症や認知症、さらには、がんの組織内への抗がん剤の送達性が悪くなることにも関わっていることがわかっている。

 

ゴースト血管を予防することは、それらの重

大な病気を予防し、なおかつ肌のシワやたる

みはもちろん、薄毛予防などのアンチエイジ

ングにもつながる。

 

ゴースト血管になる原因は加齢。

40才代から毛細血管の老化が加速するが、生活習慣によっては20〜30才代でもゴースト化するという。

 

その生活習慣の乱れが2番目の原因で具体的には、運動不足、睡眠不足、そして栄養過多のことだ。

 

運動不足になると血流も滞り、毛細血管まで常に十分な血流が行かなくなる。

特にウォーキングなどの有酸素運動をすると呼吸ポンプ・筋肉ポンプ・心臓ポンプの3つのポンプ機能で、血液が全身にしっかり流れるようになる。  出典:医療ジャーナリスト 石井悦子氏